特殊伐採とは

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特殊伐採とは、建物や道路、電線など周囲の施設を傷つけずに樹木を安全に除去する作業を指します。

通常の森林伐採と異なり、倒す方向が制約される狭小地や人家近接地で行うため、高度な技術と慎重な作業計画が必要です。
多くの場合、作業者が樹上に登って先端から順に小さく切り下ろしていく手法（ツリークライミングやロープワーク）が採られます。こうした手法は特殊な装備と熟練した技術を要するため、専門の技術者でなければ安全かつ確実に遂行できません。

弊社の強みは、事前の綿密な現地調査に基づく施工計画と、クレーンや重機の運用に関する豊富な知見です。経験の浅い業者に依頼すると不必要に重機や人員を投入され、結果として伐採費用が高くなることがありますので、最適な工法で経済的に対応いたします。

特殊伐採が必要となる
主なケース

電線・電力設備の近くに
伸びた樹木

電線や電柱に触れると停電や発火などの危険があるため、安全に切除するために特殊伐採が行われます。
建物や道路に非常に
近接している木

住宅や道路に近い樹木は、倒木や落枝が建築物や通行に被害を及ぼすおそれがあるため、周囲を傷つけない施工が求められます。
斜面・崖地や狭小地に
生えている木

傾斜地やスペースが限られた場所では伐倒方向が制約されるため、ロープワークやツリークライミングなどの特殊技術で安全に作業します。

特殊伐採は上記のような条件下で、周囲の環境や設備を保護しつつ確実に樹木を除去するために行われます。

台風や自然災害の現場で、特殊伐採は迅速な復旧と安全確保に欠かせない役割を果たします。
主な事例は次のとおりです。

電線・電柱に倒れかかった
樹木の除去

強風や土砂の影響で倒木が電線や電柱に接触した場合、感電や火災の危険があるため、特殊伐採で安全に撤去して復旧作業を支援します。
道路・鉄道の通行障害の解消

台風で道路や線路が木で塞がれた際に、特殊伐採により速やかに障害物を取り除き、交通の復旧を促進します。
建物被害を防ぐための
予防的・緊急伐採

倒木の可能性が高い樹木を早めに処置することで、住宅や周辺施設への被害を最小限に抑え、安全な状態を確保します。

このように、特殊伐採は災害時の復旧活動や二次被害防止において重要な貢献をしています。

空師の起源は江戸時代にさかのぼります。当時は高層建築がほとんどなく、足袋や縄を使って高木に登り、樹上で作業を行う職人が存在しました。「空に近い場所で働く者」という意味合いから「空師」と呼ばれるようになったと伝えられています。

現代では、ツリークライミング専用の器具や消防・レスキューで使われる資機材を導入することで、以前より安全かつ効率的に高木へ登れるようになりました。そのため、作業者は「特殊伐採」や「アーボリスト（樹木医や樹上作業の専門家）」といった名称でも呼ばれています。

知名度はまだ高くない職種ですが、狭所や危険箇所での伐採・剪定には不可欠な技術です。

弊社はこの技術を次世代に継承するため、
日々技能向上と人材育成に力を入れており、安全管理と教育を重視して現場に臨んでいます。

クレーン車を用いた
伐採方法

特殊伐採の代表的手法のひとつがクレーン車を使った伐採です。
まず伐採する幹や大枝にスリング等で袈裟掛け・玉掛けを行い、クレーン車から下ろしたワイヤーフックに確実に取り付けます。切断後はクレーンで枝や幹を吊り上げ、安全な場所まで横移動させてから地上に降ろすことで、周囲への落下や衝突を防ぎながら作業を進めます。